ーー 今年こそは白スニーカーを買おう。
2023年のやりたい事リストの1つだったこの目標を、最近達成することができた。
社会人になってからというもの、新しく買った靴は、スニーカーもサンダルもブーツも全て黒。
気が付けば、家の靴箱はほとんどが黒色の靴で埋め尽くされていた。
まあ、僕はファッション系のアイテムに関しては黒色が好きだし、黒のパンツ×黒の靴で組み合わせる事も多いから、「履いていく靴がない」なんて事になるのは稀だ。
とはいえ、これからの暖かくなるシーズン、街中では鮮やかな色の春物や夏物が徐々に増えていく中で、足元の選択肢が黒色だけだと全体的に少し重たい印象。
年がら年中、全身オールブラックで過ごしていた時期もあったのだが、最近は色物も着たいなと思っていて、去年からずっと “イイ感じ” の白スニーカーを探していたのだ。
最近の僕にとって “イイ感じ” の靴とは、人とあまり被らず、それでいてキレイめなデザインのもの。「シンプルで上品、だけど無難ではないもの」という絶妙のラインが、最近の個人的なトレンドなのだ。
しかし、いざ白スニーカーを買おうと言っても、各ブランドから本当に色々なモデルが発売されていて、どれにするか悩みどころ。
特にコレと言う決まったモデルが欲しかった訳ではないので、ブランドにこだわらず数十種類のスニーカーを検討したのだが、最終的に、「Reproduction of found」(リプロダクション オブ ファウンド)というブランドの “ジャーマントレーナー” というスニーカーを購入した。
実は、購入するに当たって店舗に見に行く事ができず、試着せずに購入したため不安もあったのだが、サイズも問題なく、想像以上の質感と履き心地で、購入してから既にヘビロテ中。
今回はそんなジャーマントレーナーについて紹介していきたい。
ジャーマントレーナーとは?
ジャーマントレーナーとは、1970年〜80年代頃まで実際にドイツ軍で採用されていたトレーニングシューズのことだ。
最近ではファッションアイテムとしても注目されていて、当時のモデルを再現したものや、各ブランドのオリジナリティをプラスしたものが販売されている。
特に有名なのは、Maison Margiela (メゾン マルジェラ) の ”Replica” スニーカーだろう。
TANAKA UNIVERSAL (タナカ ユニバーサル) との逸話(*1)は有名な話で、発表されてから20年以上が経った今でも、時代を超えて愛される、ブランドを代表するシューズの一足だ。
そんなジャーマントレーナーの特徴は、ミリタリーならではの無駄のないシンプルなデザインと、細身のスッキリしたシルエット。
白色のレザーにグレーのスエード生地を組み合わせたアッパーが印象的で、シンプルなデザインながらも、軍用シューズとは思えない程、上品さを感じさせるデザインだ。
アッパーの上品さとは裏腹に、足元を支えるソールには、ミリタリーらしく実用的なガムソールが採用されている。
レトロ感のあるガムソールが、靴全体として単調になり過ぎない、丁度良いバランスを演出し、ラフからキレイめまで幅広いコーディネートにフィットするシューズだ。
Reproduction of foundのジャーマントレーナーを選んだ理由
とはいえ、白スニーカーを探して辿り着いたのが、”ジャーマントレーナー” だという方はあまり多くはないのではないだろうか?
僕なら白スニーカーと言えば、「NIKE」の “エアフォース1” や「adidas」の ”Stan Smith” なんかをまず最初に思い浮かべる。
では、なぜ僕がジャーマントレーナーに辿り着いたのかと言うと
に惹かれたからだ。
特に、僕は服や靴に関しては、クセのない無難なものよりも、少し個性のあるアイテムの方が人と被る事が少なくて好き。
それに、最近は厚底でボリューム感のある靴をよく履いていたから、久しぶりにオーソドックスな形のスニーカーを履きたいと思っていたこともあり、色々なスタイルのコーディネートに合わせやすく、形もデザインも気に入ったこのジャーマントレーナーが目に留まったという訳だ。
ジャーマントレーナーもブランドによって色や形は様々で、ソールに変化を加えたものや、アッパーの素材を変えたもの、ハイカットのモデルなど、選択肢は幅広い。
そのため、どのブランドの物にするか決めるのに時間がかかったのだが、今回はよりクラシカルな形の Reproduction of found のジャーマントレーナーを購入した。
このブランドにした理由は、デザインや形が、探していたオーソドックスなスタイルのものであった事。それと、本来の軍用シューズでは安価なレザーが使用されていた部分を、上質なイタリアンレザーに置き換えて生産するなど、元のデザインを踏襲しながらも、現代のファッションシーンにも馴染むようなアレンジを加えている所に魅力を感じたからだ。
今回購入したジャーマントレーナーをはじめ、Reproduction of found のミリタリートレーナーシリーズは、実際に軍用シューズを生産していたスロバキアの工場などで、職人さんの手作りによって靴を生産されているそう。
必ずしも「手作り=最高品質」という訳ではないのかもしれないが、日本のシューズブランドでありながらヨーロッパの工場を稼働させ、オリジナルのジャーマントレーナーにより近い環境で靴作りをしている所にこだわりを感じ、このブランドの靴を「履いてみたい」と思ったのが、Reproduction of found を選んだ理由の1つだ。
サイズ感と実際の履き心地
履き心地
履き心地に関しては、想像していた以上にかなり良い。
先ほど少し述べたが、最近は HOKA ONE ONE の “Bondi” のような、厚底で履き心地の良いスニーカーをよく履いていたので、正直な所、クラシカルなスタイルのジャーマントレーナーについては、あまり履き心地については期待していなかったのだ。(笑)
ところが、ジャーマントレーナーを履いてみて直ぐに、違った履き心地の良さがある事に気がついた。
厚底スニーカーの場合は、どちらかというと足元の衝撃を吸収してくれるクッション性の高さが特徴で、それがそのまま履き心地の良さに繋がっていた印象だったのだが、ジャーマントレーナーの履き心地の良さを実現しているのは、その柔らかさ。
靴底のガムソールは、足裏の動きに合わせてしなやかに変形してくれるから歩きやすく、足の甲を覆うベロの部分には、かなりソフトなレザーが使用されているため、締め付け感がなく快適。
普段厚底のシューズを履いていたから余計にそう感じたのかもしれないが、個人的には、靴を履いている感覚というよりも、厚めの靴下を履いている、という感覚の方がしっくりくるほどの履き心地だ。
サイズ感
サイズ感としては細身の作りということもあり、やや小さめだろうか。
各ショップの通販サイトでも少し大きめのサイズが推奨されていることが多かったので、僕もいつもよりワンサイズ上のものを購入した。
参考になるか分からないが、一例として僕の足のサイズや普段のスニーカーのサイズを記載しておく。
個人的には、44だと幅は丁度良いが、長さが若干長いかなと感じるサイズ感で、「43を試してみても良かったかもな」くらいの感覚だ。
ただ、踵をしっかりとホールドしてくれるデザインだからすぐに脱げてしまうなんて事もなく、足が疲れたり歩きにくかったりする事もないので、結果、44で全く問題ないと言っていいだろう。
まとめ
今回は、新たに購入したReproduction of found のジャーマントレーナーについてご紹介してきた。
やはり白スニーカーは様々なコーディネートに合わせやすく、一足持っておくだけでスタイルに幅ができて良かったなと思う。
細長い形状で足元をすっきりと見せてくれるので、より大人っぽい印象を演出することができるし、履き心地も柔らかく、足にフィットしてくれるため、長時間歩くような時でも快適だ。
ただし、細身の形状ゆえにサイズ選びには注意が必要。勿論、試着して選ぶのがベストだが、どうしても難しい場合は、やや大きめのサイズの方が良さそうだ。
価格は決して安くはないものの、幅広いスタイルに合わせられる着回し力の高さと、流行にとらわれず長く履くことができる事を考えれば、十分見合うコスパの良さ。
もし、僕と同じように白スニーカーをお探しの方がいれば、ぜひ検討してみてはいかがだろうか。
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1994年に廃盤となってしまったジャーマントレーナーを初めて復刻させたのは、日本のシューズブランドであるTANAKA UNIVERSAL。同ブランドがパリの展示会で発表したジャーマントレーナーを、Maison Margielaのデザイナーであるマルタン・マルジェラが気に入り、TANAKA UNIVERSALへ発注を依頼。しかし、TANAKA UNIVERSALはマルジェラに対して「自由に使用して良い」と回答。このことに感銘を受けたマルジェラは、敬意を込めて自分たちが作るシューズに “Replica” (レプリカ) と名づけたという話。