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1年ほど前、
「ビジネスシーンでも使えて、でも、フォーマルになり過ぎないお洒落なビジネストート」
という、欲張りを詰め込んだようなバッグを探していたところ、偶然ネットで見つけて一目惚れしたのがMontecatini by Boldrini(モンテカティーニ バイ ボルドリーニ)のトートバッグだ。
幅広いシチュエーションで活躍できそうなフォーマルで少し個性のあるデザインと、使い勝手の良さそうなサイズ感は、まさに僕が探していた理想のトートバッグの形。
それに加えて、素材には上質なイタリアンレザーが使われており、革好きとしてはいつか使ってみたいと思っていたレザーという事もあって、即決で購入を決めたものだ。
たこの商品を取り扱っているのはTRANSICという会社だが、実店舗が無く、購入はネットでのオンライン販売のみ。
革製品は結構良いお値段がするものが多いし、実際に製品を手に取ってから購入したいと思う人も多いだろうから、今回は、僕が1年ちょっと使ってきた感想や使用感などをお伝えすることで、購入を検討されている方の参考になればと思い、レビューを書く事にした。
できるだけ写真も多めに撮ってみたから、このバッグの購入を検討している方がいれば参考になれば嬉しい。
フォーマル過ぎず、カジュアル過ぎない絶妙なバランスのデザイン
僕がこのトートバッグで最も気に入っているポイントは、「バランスの取れた絶妙なデザイン」。
やはりビジネスユースのトートバッグとなると、あまりにカジュアル過ぎるものは好まれないため、作っているブランドは数あれど、デザインに関してはどれも似通ったものになりがち。
勿論、オーソドックスなデザインのトートバッグもそれはそれで好きなのだが、僕は普通のものに「ちょっとだけ個性をプラスしました」くらいの温度感のデザインのものがすごく好みだ。何というか「やり過ぎないお洒落さ」みたいなものが大人っぽく感じられて、ここ数年は特にそういったアイテムを好んで購入する事が多かったと思う。
だから、オーソドックスな形の中に、少し個性のある曲線的なデザインを取り入れたこのトートバッグに強く惹かれた。
特徴的なデザインでカジュアルな雰囲気を演出しながらも、高級感のあるイタリアンレザーによって上品でフォーマルな要素も追加されており、ビジネスでもプライベートでも使える絶妙なバランスのデザイン。
もちろん、デザインだけでなく細部までこだわって作られていて、コバの処理や縫製の仕上げもとても丁寧。
上部にはファスナーが取り付けられているため、大事な書類や社員証などを安全に保管しておく事ができ、下部には安定して自立できるよう、底鋲が取り付けられているのもビジネスユースにはありがたい仕様だろう。
重厚感のある上質なイタリアンレザー
冒頭でも少し触れたが、このトートバッグに使用されている革は「イタリアンレザー」。
イタリアンレザーといえば、「ブライドルレザー」、「コードバン」と並ぶ、世界3大レザーの1つで、その特徴は、「バケッタ製法」というイタリアの伝統的な製法を使って作られている事。
皮革製品である以上、その原料は動物の ”皮” になる訳だが、その皮の状態から製品としての ”革” にするために ”鞣し” という工程を経る必要がある。そして、その ”鞣し” 工程を、イタリアの伝統的な方法で、ゆっくり時間をかけて行うのが「バケッタ製法」だ。
昨今、この ”鞣す” という工程において主流になっているのは「クローム鞣し」という方法。これは、塩基性硫酸クロムなどの化学薬品を使用して皮を鞣す方法で、低コストで手早く皮を鞣す事が可能。
一方、伝統的な製法であるバケッタ製法では「ベジタブルタンニン鞣し」という手法を用いる。
この方法は、クローム鞣しで使用しているような化学薬品等を使わず、樹木などから採取する ”植物性タンニン” のみを使用して皮を鞣す方法。さらにその後、様々な種類のオイルを配合した独自のオイルで、時間をかけてじっくりと革にオイルを浸透させていくため、全工程に2ヶ月以上もかかり、クローム鞣しと比較して一度に大量の製品を生産することは難しい。
しかし、複雑な工程と多くの時間をかけて作る分、素材の風合いを活かした絶妙な艶や質感、深い経年変化が楽しめる革が出来上がるという訳だ。
そして、このトートバッグには「イタリアンレザー」が使用されている事を証明する、下のようなタグがついてくる。
これは「イタリア植物タンニンなめし革協会」という協会の保証書。
よほどの革好きの方でなければ聞いた事のない名前だと思うが、この協会は1994年にイタリアで設立された協会で、「イタリアンレザー」として認められるためには、この協会の定めた厳しい品質基準をクリアしなければならない。
つまり、「イタリアで生産されたレザー = 全てイタリアンレザー」という訳ではないという事だ。
そして、その厳しい基準をクリアした製品1つ1つに付属してくるのがこの保証書。
そんな上質なイタリアンレザーを贅沢に使用したバッグは、本革らしい重厚感がありながらも、バッグに合ったしなやかさを併せ持った上品な仕上がり。
使っていく毎にレザーに浸透したオイルが染み出し、持つ人の使い方によって、その人ならではの異なる艶や風合いなどが出てくるため、世界で1つしかない自分だけのカバンに育てていく、という楽しみ方ができるのも魅力の1つだ。
収納力の高いコンパートメント
このバッグは一般的なトートバッグよりも少し大きめのデザインとなっていて、収納力が高いのも魅力。
内部には、PCケースとファスナー付きの内ポケットが1つずつ装備されていて、PCケースは13インチまでの大きさのPC が収納可能。
内ポケットはiPhoneがすっぽり収納できるくらいの大きさで、僕は普段あまり使わないような印鑑や名刺を入れている。
メインのコンパートメントには、書類は勿論、お弁当や水筒、折り畳み傘などのかさばる物もすっきり収納できるし、1泊2日くらいの出張であれば、このカバン1つで全く問題ない。
カバンの側面には、上部の曲線に合わせたデザインの大きめのサイドポケットが装備されているから、定期券やマスクなどサッと取り出したいものをしまっておくのに便利だ。
サイズ感
参考になるかわからないが、僕が実際に持った時の写真をいくつか載せておく。
因みに僕の身長は178cm。
普通のものより少し大きめのサイズとはいえ、見た目も使い勝手も変に大き過ぎたりすることはない。
まとめ
カラーはブラックとブラウンの2種類で、価格は税込 ¥74,800。
やはり財布やキーケースなどと比べて、カバンは使用する革の量も多くなるため、必然的に価格も高くなってしまうのが唯一の難点だろうか。
なかなかポチッと簡単に購入に踏み切れる価格ではないけれど、きちんと手入れをすれば10年、20年と長く愛用できるのが革製品の魅力。
使っていく内に、持ち主の使い方に馴染んだ経年変化をしていくため、「世界に1つしかない、自分専用の革を育てていきたい」という方や、「良いものを長く、大切に使っていきたい」という方にはピッタリだろう。
バッグの上部のファスナーや、自立が可能という点はビジネスシーンには使いやすい仕様。
少し個性のあるデザインを取り入れながらも、シンプルでカジュアル過ぎないデザインだから、年齢を選ばず使用できるオススメのビジネストートだ。
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