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気が付けば社会人になって早6年。
会社に入ってからと言うもの、作業の殆どはパソコンで完結し、会議や社内でのやり取りもチャット機能を使うことが当たり前になった時代で、活躍の場は減ったけれど、それでも多くの人がカバンに入れて持ち歩くもの、そのひとつが ”ペンケース” ではないだろうか。
ちょっとしたメモならPCやスマホのメモ帳機能で代用できるけれど、紙の資料に書き込んだり、会社の書類に直筆のサインが必要だったり、まだまだ筆記用具が必要になる場面も多い。
僕が中学・高校の頃は、PUMAのエナメルのペンケースだの、無印の半透明なプラスチックのペンケースだのが流行り、クラス中が流行に乗り遅れまいとこぞって買い替えていたものだが、大学に入った途端、誰もペンケースの事なんて気にしなくなり、社会人になった今、僕の周りを見渡すと、今だに学生時代に使っていたものをそのまま使っている人も少なくない。
勿論、それがダメだとは全く思わない。むしろ、モノを粗末にせず、長く使うのは良い事だと思う。
ただ、その一方で、どうせ長く使うなら、この先の長い社会人生活を共に歩んでいけるような、とっておきのお気に入りのアイテムを見つけて5年10年先まで長く大切に使っていく、そういう考え方もあって良いと思うし、僕はそんな考え方が素敵だなと思う。
だから、特に社会人になってからは「良いもの、気に入ったものを長く使う」と言う価値観でものを選ぶことが多くなった。
長く使うなら単に気に入ったデザインなだけでなく、一緒に年を重ねていけるものが良い、そう思うから、僕はカバンや財布、キーケースなど、常に持ち歩くようなものには革製品を選ぶことが多かったように思う。
良いものは10年以上も使っていける耐久性があるし、使い込んでいくほど味が出てきて、同じ物でも持ち主の使い方やクセによってひとつとして同じ変化をしないのが面白い。
所々ついた傷も、日々の中で徐々に擦れて色褪せた跡も、まさに世界中で自分だけの ”相棒” といった感じがして、僕はそれがたまらなく好きなのだ。
ペンケースに関しても僕は数年前から革製のものを愛用しており、今回はそんな革のペンケースの魅力や選び方、オススメのペンケースなどを紹介できればと思う。
あくまで個人的な目線ではあるが、革製品を選ぶ時の方法なんかにも触れてみたので、革のペンケースに限らず、革製品に興味のある方に少しでも参考になれば幸いだ。
僕が思う革のペンケースの魅力
1. 長く使える耐久性
僕が思う革のペンケースの魅力のひとつ、それは長く使っていける耐久性だ。
これは革製品全体に言えることでもあるのが、革は素材としてしなやかで衝撃に強く、古くから馬具や靴の素材として重宝されてきたことからも、他の天然素材に比べて優れた耐久性を持っている事が伺える。
靴やカバンと違い、ペンケースは雨風に直接さらされたり、満員電車の中で押し潰されたりする事は少ないと思うが、それでも、日々使っていれば傷が付いたり、汚れてしまうこともあるだろうから、耐久性の高さは革の強み。
実際、僕も大学時代はファブリック製のペンケースを4年間使っていたのだが、日々使っていく中で所々小さな穴が空いてしまったり、こぼれた飲み物でシミを作ってしまった経験がある。
だから、単に耐久性が高いだけでなく、汚れにも強い “革” という素材は、ペンケースの素材としてとても適した物だと思っている。
今僕が使っているペンケースもすでに4年以上愛用しているが、革が破れたり、シミが付いたりする事もなく快適に使えているから、長く使っていける耐久性があるのは、革製品の大きな魅力のひとつと言っていいだろう。
2. 使えば使うほどに味が出る経年変化
もう一つの魅力は、使えば使うほど深い味わいが出てくる事。
革製品を使う醍醐味と言えば、やはりこの経年変化ではないだろうか。
本革以外の素材のもの、例えばファブリック製や合皮製のものは、通常、購入した瞬間が品質のピークで、どんなにケアをしていても時間経過に伴う劣化や加水分解には抗うことが出来ない。言ってしまえば、時間の経過とともに、100点の状態から徐々に減点方式で品質が下がっていくようなもの。
その点、革製品なら、購入時こそ生産時のロウが残っていたり、少し硬さがあったりするものの、使い込んでいくことで自分ならではの味わいに育てることができ、そう言う意味では100点の状態から自分にとって120点、150点の状態にしていけるのが魅力。
気を遣いながら綺麗な状態を長く維持するのではなく、しっかり普段の生活の中でガシガシ使って、傷や日焼けも含めてケアをしながら大切に使っていく。
そんな使い方ができるのが本革の魅力だと思うし、革を”育てる”という表現をするように、一緒に時を重ねていける革製品に僕はとても魅力を感じるのだ。
僕がペンケースを選ぶときに着目したポイント
1. 素材
ペンケースの購入を検討するに当たって僕が重視したポイントは二つ。
ひとつは革の素材だ。
一口に “革” と言っても、馬革、牛革、豚革などの種類の違いや、採れる部位による違い、皮の鞣し方の違いなど、想像以上に種類は多い。
人によっては「本革だったらなんでも良い」と言う方もいるだろうが、僕は折角なら、材料となっている革の特徴を知った上で選ぶ方が、より愛着を持てたり変化を楽しめると思うから、ペンケースにどんな革が使われているかも調べて購入したい派。
実際、僕が愛用しているペンケースも、選ぶ時は使われている “革” に魅力を感じたと言う部分が大きい。
とはいえ、僕のように「革からペンケースを選ぶ」と言う方はそれほど多くないと思うので、個人的に別の選び方としては、「使う環境や理想のイメージを想像してそれに合う素材を選ぶ」と言う方法もオススメ。
例えば、僕はコードバンと言う革の札入れを愛用しているが、これは僕がどんな財布にするか選ぶときに「デキるサラリーマンがスーツの内ポケットから颯爽と財布を取り出す所」をイメージして、上品で、かつ深みのある艶が出るものが良いと思い探したもの。
スーツの内ポケットに入れることを想定していたから、財布の形は小銭入れのついていない札入れにし、使われている革は、多少お手入れが必要になったとしても上品なものが良い、と言うような感じで探して行った結果この札入れに辿り着いたのだ。
他にも、僕は父に革財布をプレゼントした事があるが、その際は「父はバイクに乗って出かける事が多いからポケットにしまえる二つ折で、こまめなお手入れは面倒くさがるだろうから、素材は丈夫であまり手のかからない物」と言うイメージを元にブライドルレザーの二つ折りの財布を選んだ。
こんな感じで、使う時のシチュエーションなんかを想像して、それに合った革を見つけるのが個人的にはお決まりの方法。使うときのイメージがあると、それによって候補となる製品の選択肢も絞れるし、お店に行って「こんなイメージで探している」と店員さんに聞くこともできるからオススメ。
僕は革は好きだけど専門家ではないので、ここで革の種類についてひとつひとつ説明することはしないけれど、例えば「革 丈夫 種類」のような感じで検索してみると、革の種類をまとめてくれているサイトもあるので、色々な革を調べて自分に合うものを見つけてみるのも楽しいと思う。
2. 収納力
もうひとつの着目ポイントは収納力だ。
実はこれは、購入前に検討していたと言うより、購入後に「大きめの容量のやつ買っといてよかった~」と思ったポイント。
僕がペンケースの購入を考えていた当時は、職業柄そんなに筆記用具が必要になることもなく、シャーペンとボールペンが数本入れば良いかなと思っていたため、容量なんて全く気にすることなく購入した。しかし、数年後に転職し、新たな職場となった場所では、筆記用具はもちろん、のりや付箋、蛍光マーカーが手放せず、容量いっぱいまでペンケースを使う羽目になったのだ。
僕のペンケースはたまたま収納力もあるものだったので、中に入れるものが増えても何とか対応できたのだが、もっとスリムなものを購入していたら、違うペンケースに買い替えるか、もうひとつ別の文房具ケースを容易する必要があったかもしれない。
だから、もしペンケース選びのアドバイスをするのなら、容量も意外と大事だと伝えておきたいと思ったのだ。
もちろん、使いたいものを使うのが一番で、欲しいペンケースが容量の少ないものだからと言って諦める必要は全く無いのだけれど、もし、ペンケースの大きさこだわりがないのであれば、数本のペンしか入らないスリムなものよりも、多少容量にゆとりのあるものを選んでおいた方が、後々役に立つこともあるかもしれないとだけお伝えしておきたい。
良いなと思うブランドのペンケースを7つご紹介
ここからは、個人的に良いなと思うブランドのペンケースをご紹介。
どのブランドも、革作りに凄くこだわりがあったり、皮革製品の生産に古い歴史があったり、個人的に「使ってみたいな」と思うブランドだけをピックアップしてみた。
意図せず全て日本のブランドになってしまったのだが、知らないブランドを知るキッカケになって、少しでもペンケース購入の参考になったのならとても嬉しい。
1. GANZO | THIN BRIDLE (シンブライドル) ペンケース
ひとつ目はご存じの方も多い、日本を代表するレザーブランドであるGANZO (ガンゾ) のペンケース。
個人的にGANZOは僕が初めて革の製品を購入したブランドでもあるし、今でもキーケースを10年近く愛用していたり、父に財布をプレゼントしたりと、お気に入りのブランドのひとつ。
表面にはブライドルレザー、ファスナーの両サイドにはミネルバボックス、内装はヌメ革と、3つの異なる革が使われているのが特徴で、使っていくうちに、革の種類による経年変化の違いも楽しめるだろう。
唯一のネックは税込で約2万円と価格がお高めなことだが、形状は他ではあまり見かけない流線形のデザインで大人っぽく、カラーバリエーションも6種類あって豊富なので、
- ・革の違いによる経年変化を楽しみたい
- ・あまり収納力はなくてもいいからスリムなペンケースが欲しい
- ・気に入ったカラーのペンケースを使いたい
と言う方は候補のひとつになるのではないだろうか。
2. PELLE MORBIDA | Barca(バルカ)ペンケース
ふたつ目はPELLE MORBIDA(ペッレ モルビダ)のペンケース。
PELLE MORBIDAは全てのアイテムが “ALL JAPAN MADE” で、熟練の職人さんのいる工房から生産されているというこだわりっぷり。
ブランドコンセプトは
“旅の理想形”として知られる船旅を楽しむ大人たち、”クオリティ オブ ライフ”を求める成熟した大人たちに向けて誕生しました。優雅な船旅に持って行きたくなるような、上品で良質なアイテムを製作しています。
by PELLE MORBIDA公式HP
となっていて、上品で大人っぽいアイテムが揃っているのが特徴。
個人的にはバッグが有名な印象で、実際、僕もビジネス用のトートバッグを探していた時に候補のひとつとして上がっていたのが、このPELLE MORBIDAのトートバッグだ。
素材や品質にこだわっている分、基本的に価格はお高めなのだが、ペンケースは1万円以下で購入する事ができ、個人的には「このブランドこの値段で買えるんだ」と、ちょっと驚きの印象。(ちなみに僕が欲しかったバッグは10万円近かったので予算オーバーで断念した。)
素材にはイタリアメーカーから取り寄せた型押しの牛革が使われていて、フォーマルで高級感のある印象。
ビジネスシーンでも使いやすく、スムースレザーならではの、あの革の “クタッ” とした感じは出にくいかもしれないが、他のペンケースとは一味違うものを使ってみたい、と言う方にはオススメなペンケースではないだろうか。
3. SOMÈS SADDLE | フロイント ファスナーペンケース
3つ目のペンケースは、日本で唯一の馬具メーカーであるSOMES SADDLE (ソメスサドル) から。
1964年に創業された同社は50年以上の歴史を持ち、仕立てられた馬具は平成、令和の天皇の “即位の礼” にも使用されるほど。
耐久性が求められる馬具には材料として古くから革が使用されており、同社においても、馬具生産の中で培われた技術がバッグや革小物の生産に生かされているそうだ。
そんなソメスサドルの作るペンケースは、シボ感のあるエンボスレザーで仕上げた光沢感のある一品。
光の当たる角度によってキラキラと輝くレザーは高級感があり、バーガンディにダークグリーン、ブラックと落ち着いたカラーもまさにオシャレな大人のペンケースといった感じで、ビジネスシーンにも最適と言えるのではないだろうか。
4. 土屋鞄製造所 | ヌメ ペンケース
4つ目は土屋鞄製造所のヌメ革ペンケース。
ヌメ革と言えば、革の中でも丈夫で経年変化が楽しめる革として有名。
じっくり時間をかけて皮をなめすため、他のレザーと比較して繊維がギュッと詰まった革になる。そのため、使い始めこそ少し硬さやハリ感があるが、使っていく内に繊維がほぐれて柔らかくなり、その時に持ち主の使い方に馴染んだ形、色合いになるのだ。
また、表面加工をしない分、皮本来の傷やシワが残っているため、1枚1枚ナチュラルな風合いを保った革になるのも特徴。さらに、日々使う中で手の脂が移ったり、ポケットの中で擦れたり、太陽の光に当てられたりする中で、世界にひとつとして同じものの無い、自分だけの革に育つと言う訳。
僕は黒色が好きなので、革製品であっても基本は黒系のカラーを選ぶことが多いのだが、ヌメ革であればより本来の皮の風合いに近いナチュラルカラーも魅力。
使い込むほどに出る艶や色合いの変化は、他の革、色と比較しても一段と大きく、革ならではの経年変化を楽しみたいと言う方にはオススメのペンケースだ。
5. SLOW | rubono pen case
5つ目はSLOW (スロウ) のペンケース。こちらもヌメ革を使用したペンケースだ。
本体のヌメ革に使われているのは、日本でも指折りの技術力で有名な「栃木レザー株式会社」のもの。
昭和12年創業の同社は昔ながらの鞣し工程を今でも継承していて、製造されるレザーは有害な物質を一切使用せず、100%植物由来の成分のみで作られた “フルベジタブルタンニンレザー” 。
熟練の職人さんの手によって、長い時間をかけてゆっくりと丁寧に鞣されたレザーは、使うほどに革の油分がにじみ出て色艶が増していくのが特徴。
そんな贅沢なレザーを使って仕上げられたのがこのペンケースだ。
ペンケースは使用上、どうしても中身の文房具を取り出したり、しまったりする際に開閉することが多い。だから、いくら上質でしっかりとした素材を使っていても、あまりにコシがあったり、硬かったりすると使い勝手に影響する場合がある。
そんな使い勝手のことも考慮して、革を薄く仕上げることで、軽くソフトな仕上がりになっているのも使う人の事を考えた嬉しいポイント。
製品にした後、手作業でオイルが塗り込まれていて既に特徴のある表情に仕上がっているが、使い込むことでここからさらに深いエイジングの楽しめる栃木レザーの魅力が楽しめるペンケースだ。
6. HERZ | 三角型ペンケース(KP-26)
6つ目はHERZ (ヘルツ) のオリジナルスムースレザーを使ったペンケース。
HERZでは全てのアイテムが職人さんの手作りによって作成されていて、注文が入ってから制作を開始し、その革の裁断から製法までを一人の職人さんが請け負う「一人一本」体制で生産しているそう。
時間はかかってしまうかもしれないが、一つのアイテムを通して作り手の暖かさを感じ、使う人にとって「愛着のある道具」となって欲しいという思いからだそうだ。
そんな、ペンケースを含むHERZの全アイテムに使われるレザーは、皮を鞣す工程を専門とする “タンナー” と何度も試作を重ねながら作り上げたオリジナルレザー。
イタリアンレザーの生産地としても有名なイタリアのトスカーナ地方に門を構えるタンナーと共に作り上げたオリジナルレザーは2種類あり、ペンケースに使用されているのはソフトなスムースレザー。
凹凸がなく、ツルンとした見た目が特徴のスムースレザーは、使っていく内につく傷や擦れ跡が個性的な味わいになるのが魅力。
想いを込めて大切に手作りされたアイテムを愛着を持って長く使っていきたい、と言う方にはまさにうってつけなペンケースではないだろうか。
7. Lemma | barco ペンケース
最後に紹介するのはLemma (レンマ) のペンケース。僕が現在愛用しているのもこのペンケースだ。
このペンケースの特徴は本体に “ミネルバリスシオ” と言うオイルをたっぷりと含んだイタリアンレザーを使用している事。
ここまでも経年変化が革の最大の魅力の一つだと書いてきたのが、革製品の経年変化はどうしても数年単位で時間をかけながらじっくりと変化していく物が多い。そんな中で、このミネルバリスシオの特徴は経年変化の “スピード” が比較的早いことだ。
ヌメ革など、じっくりと時間をかけて使い込む事で徐々に艶や風合いが出てくる革が多い中で、ミネルバリスシオは使い始めてから僅か数週間で艶が出てくる。
革製品に一度でも触れたことがある方の中には「意外と見た目が変化するのに時間がかかって大変」と言う感想を持つ方もいるのではないだろうか。
多くの革が経年変化に時間がかかる中で、使い始めてからすぐに艶が出始め、比較的早い段階で見た目の変化を楽しめると言うのは、この革の魅力のひとつだろう。
また、ファスナーにはYKK社の最高級モデルのメタルファスナーが搭載されていてスムーズな開閉が可能。
他にも、ファスナーを底面まで下ろすことができるため、中身の視認性やペンの取り出しが容易だったり、収納力も高かったりと、デザインだけでなく使い勝手が良いのも気に入っているポイント。
もう少し詳しくレビューした記事もあるので、興味がある方は下の記事もぜひ参考にしてみて欲しい。
まとめ
今回は革のペンケースの魅力や、僕なりの革製品の選び方、オススメしたいペンケースなどをご紹介してきた。
4年使ってきて思う革のペンケースの魅力は、耐久性の高さと経年変化が楽しめる点。毎日鞄に入れているのでどうしても細かな傷が付いたりするが、段々と革が柔らかくなっていったり、艶が出てきたりと、革を「育てる」のを楽しめるところが魅力だと思う。
革のペンケースといっても種類は沢山あるし、選び方に正解はないと思うけれど、実際にどんな感じで使いたいのかをイメージしておくと、使い方に合った革を選べたりもするから、選択肢を絞れるのでオススメ。
この記事が少しでも誰かのペンケース選びの参考になったのなら幸いだ。